leap before you look

カレーだいすき。

社員氏もお引っ越し

昨日は台風のそばでお引っ越し。社員氏の家の。

社員氏の家は、もう4年近く放置しつつも借り続けていた。放置する前、社員氏がひとりでそこに住み始めたのは10年前だそうだ。10年前の社員氏は22歳だけど、10年前の私は17歳である。まだ私が東京に出てもいない頃、田舎で呑気に何の葛藤もせず(まあちょっとはあったなと思うけど楽しい方が勝っている)わいわいわいわいやってた頃に、社員氏は何かものすごい葛藤があって早稲田の家にひとりで引っ越して来たのだな、と思うと何か不思議に感じる。私はその1年後に社員氏が通っていた大学を受験して、今はもう懐かしい広末涼子と同じ教室で受験し、そのせいでマスコミから「どうだった?」とインタビューをされ、ただの田舎の高校生の私はあわあわとしていたわけだけど、そんな私を助けてくれたのは社員氏が当時入っていたサークルの人だった、という妙な縁。無論当時の私達はそんなことも知らない。助けてくれたのも社員氏なわけじゃないし。そういう一連の出来事を知ったのは、多分その何年か後、本屋で一緒に働き始めて出会って、別に仲良くもない頃の話だ。話題作りか何かで、大学どこだったの的な話になった時の話。
私が社員氏が通っていた大学にもし合格してたら、きっとそのサークルに入っていたことだろう。そしたらきっと社員氏と私は大学の時点で出会っちゃって、きっとつきあうようなことにはならなかったんだろうなと思う。落ちたことで、渋谷にある大学に私は入学し、渋谷にある本屋で出会うに至る。微妙につながりつつ今になったんだな。
ということを、社員氏の家に行くとたまに思ったものだった。

社員氏の家は4畳半でお風呂はなくてトイレは共同である。なんかいつもほこりっぽくてかびくさくてタバコのにおいがして、寝ると必ずそのへんに転がってる本にぶつかって痛い、ような不快な家だったんだけど、社員氏を好きになりはじめの頃とか、社員氏とつきあい始めた頃とか、私は社員氏の家に行くのがとても好きだった。異文化?みたいな感じだったのかもしれないけども。部屋ってとにかく人が出るから、社員氏がいつも過ごしてるところにいることが幸せに感じたのかも。

でも私の家で一緒に過ごし始めてからは早稲田の家にいくこともなくなって、たまに家賃を払いに一緒に早稲田まで行ったんだけど、そういうわくわく感は少しづつ薄れていって、自分の感情のことなのに何か寂しい気持ちにもなった。恋愛においてそういうのは多少あるのかもしれないけどもね。

で、引越し。これで2人とも正式に経堂の家の住人だ。一緒に住みつつも、お互いの部屋があるという状態はもう終わりなんだなと思って、ほっとするようなずしっとくるような、複雑な気持ちだ。私と社員氏はあと2週間くらいで入籍して夫婦になるわけだけど、社員氏が私の姓になるってこともあって、私は責任感のようなものを感じているよ。社員氏にはもう何かあっても逃げ場がないんだよな、と思う。でもそれは私だってそうなんだけどさ。結婚って、私たちは確かに前々から結婚してるような状態なのかもしれないけど、でもやっぱり全然違うなと思う。社員氏にはもう逃げ場がない、から私は、そんな、逃げ場が必要じゃない状態にしてたいなと思うよ。けんかとかこれからもあると思うけど、ここで一緒に暮らしていくから、一緒にやっていくためにちゃんと話し合ったりしよう。

というようなことを心に決めた。